ブログBLOG

ふたつの論文から加圧トレーニングの優位性についての考察

2024.05.22

当施設のパーソナルトレーニングにおける指導の中心とな加圧トレーニングは、その独自の方法と効果により、多くの研究者やアスリートの関心を引いています。

 

今回は、

「血流制限下におけるトレーニングが血中酸素飽和度に与える影響-大学男子柔道選手を対象として-」(大川 康隆, 塚田 真希, 宮崎 誠司, 石橋 剛士, 小澤 雄二)と

「体力科学分野における『低酸素』の多元的意義~『低酸素』の功罪を俯瞰し,健康増進を目的とした有効利用を模索する~」

この二つの論文の研究成果をもとに、加圧トレーニングの優位性について考察します。

 

まず、加圧トレーニングがどのように血中酸素飽和度に影響を与えるかを見てみましょう。

 

大川らの研究では、大学男子柔道選手を対象に、加圧トレーニングが実施されました。

 

結果、血中酸素飽和度の低下が観察されましたが、これは一時的なものであり、トレーニング後に回復することが確認されました。

 

この結果は、加圧トレーニングが筋肉への酸素供給を一時的に制限することで局所的に低酸素状態を作り出し、その結果、筋力や持久力の向上を促進することを示唆しています。

 

局所的低酸素状態は、筋肉の適応反応を引き出し、効率的なトレーニング効果を生むと考えられます。

 

 

 

 

次に、「低酸素」の多元的意義についてです。

 

この研究では、「低酸素」が体に与える影響を幅広く検討し、その功罪を評価しています。

 

低酸素状態は、適切に管理されれば、筋力強化や持久力向上、さらには健康増進に寄与することが示されています。

 

特に、加圧トレーニングにおける局所的な低酸素状態がもたらす意義について詳しく見ていきましょう。

 

 

 

 

局所的な低酸素状態は、筋肉や特定の組織に対して酸素供給を一時的に制限することで、様々な生理的反応を引き起こします。

 

この状態がトレーニングにおいてどのような意義を持つのか、以下のポイントで詳述します。

 

 

局所的な低酸素状態は、筋肉細胞における成長因子やホルモンの分泌を促進します。

 

特に、筋肉の成長を促進するインスリン様成長因子-1(IGF-1)の分泌が増加し、これが筋力および筋量の増加を助けます。

 

また、筋肉の分解を抑制するメカニズムも働くため、筋肥大に効果的です。

 

 

 

低酸素状態は、筋肉内の毛細血管の新生を促進します。

 

これにより、酸素および栄養素の供給が改善され、筋肉の持久力や回復力が向上します。

 

毛細血管の増加は、トレーニング後のリカバリーを早める効果もあります。

 

 

 

低酸素状態により、細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアの数が増加します。

 

これにより、筋肉がより効率的にエネルギーを生成できるようになり、持久力の向上が期待されます。

 

ミトコンドリアの増加は、全体的なエネルギー代謝の改善にも寄与します。

 

 

局所的な低酸素状態は、筋肉に対する代謝ストレスを誘発します。

 

このストレスは、筋肉の適応反応を引き出し、より強力で持久力のある筋肉の形成を促進します。

 

代謝ストレスは、トレーニングの効果を高めるための重要な要素です。

 

 

 

 

これらの研究結果を踏まえ、加圧トレーニングの優位性について考察します。

 

 

効果的な筋力強化: 加圧トレーニングは、低重量でのトレーニングでも高い筋力強化効果が得られるため、関節や筋肉への負担が少なく、安全に行える点が大きなメリットです。

 

持久力の向上: 低酸素状態を利用することで、持久力を効率的に向上させることができ、特に持久系スポーツにおいて効果的です。

 

回復とリハビリに適用可能: 軽い負荷で行えるため、リハビリテーションや回復期のトレーニングにも適しています。

 

全身的な健康増進: 低酸素トレーニングは、心肺機能や代謝機能の改善にも寄与し、全身の健康増進を図ることができます。

 

 

 

 

結論

加圧トレーニングは、適切な低酸素環境を利用することで、筋力や持久力を効率的に向上させる優れたトレーニング法です。

 

大川らの研究および低酸素の多元的意義に関する研究からも明らかになったように、加圧トレーニングはアスリートのみならず、一般のフィットネス愛好者やリハビリ患者にとっても有益な方法であると言えます。

 

これからも、加圧トレーニングの研究が進むことで、そのさらなる可能性が明らかになることが期待されます。

 

 

参考文献
大川 康隆, 塚田 真希, 宮崎 誠司, 石橋 剛士, 小澤 雄二. 「血流制限下におけるトレーニングが血中酸素飽和度に与える影響-大学男子柔道選手を対象として-」
「体力科学分野における『低酸素』の多元的意義~『低酸素』の功罪を俯瞰し,健康増進を目的とした有効利用を模索する~」

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

パーソナルトレーニング・パーソナルジム

加圧トレーニング・TRXトレーニング・PowerPlate

ダイエット、美姿勢・美脚、ランナー向け 

〒545-0011
大阪市阿倍野区昭和町4-1-12-101
田中整骨院 併設 TRX&KAATSU STUDIO

06-6628-7629

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

PAGE TOP