代謝が悪いから太るのですか?
2016.12.19
ダイエット目的で加圧トレーニングを選ばれる方でよく聞く言葉が「代謝を良くして太りにくい体にしたい!」ということです。
生理学的に考えてみると、正しいような、ちょっと違うような感じがするので少し調べてみました。
まず最初に考えなければならないのが、「代謝とは」ということです。
汗をかきやすい人が代謝がいいとか、太りにくい人は代謝が良いとか、そんなイメージを持つ方が多いと思います。
そこで、しっかりと「代謝」ということを生理学的に考えてみます。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説では
代謝(metabolism)とは・・・
生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や,成長に必要な有機材料を合成するために生体内で起るすべての生化学反応の総称。
複雑な分子を単純な分子へ分解してゆく過程でエネルギーを獲得する分解代謝または異化 (カタボリズム) と,単純な分子から複雑な分子を構築するためにエネルギーの消費を伴う合成代謝または同化(アナボリズム) がある。
となかなか難しい言葉で書かれていますが、「外部からエネルギーや食事としての栄養を取り、それを体の中で利用したり、消費したりすること」を簡単に言うと代謝と呼びます。
またその代謝を大きく二つに分けると「同化作用」(カラダを作る作用)と「異化作用」(エネルギーとして使われる作用)に分けられます。
一般的に新陳代謝といって、古い細胞や組織が新しくなっていくのが新陳代謝という同化作用の代謝であり、皮膚がきれいになったり、髪が伸びたり、つめが伸びたりするのも代謝の一部になります。
続いてもうひとつの「異化作用」であるエネルギーとして使われる代謝というのが、筋肉を動かしたり、脳や心臓などの臓器を動かしたり体温保持のために使われるすることになります。
このあたりのことが代謝が良いと痩せやすいと考える基本となっているみたいです。
実際エネルギーとして使われる代謝には「基礎代謝」「生活活動代謝」「DIT(食事誘導性体熱産生)」の3種類があり、割合では70:20:10のエネルギー消費比率になります。
筋肉をつけたり、体温を上げたり、体を動かしたり、食事を消化吸収するのにもエネルギーを使っています。
当然エネルギー代謝があがると痩せやすくなるというのは理解できます。
しかし、そこで考えるべきは先に述べた「同化作用」に関する代謝です。
同化作用に関する代謝はカラダを作る作用と書きましたが、様々な利点もある「体脂肪を蓄える働き」も同化に関する代謝になります。
体脂肪にはエネルギー源として蓄えることが出来たり、細胞膜やホルモンの構成材料になったり、体温を保つ働きといったヒトにとってすごく大事な役割もあり、必要不可欠なものになります。
当然蓄えられすぎると肥満につながることもあります。
やせすぎて体調がすぐれない方や虚弱体質の方、また成長期の子供などは体脂肪を含めて体を大きくしていくことが健康的に良いことであり、体重が増加することが同化作用である「代謝が良い」状態だといえます。
また、今の日本では飽食の時代でエネルギー効率が消費カロリーと摂取カロリーの差を消費カロリーが上回ることが「良い」状態だと一般的には考えられていますが、国が変わったり栄養摂取状況が今後変化して摂取カロリーに制限がかかれば、当然消費カロリーを減らすことも必要になるかもしれません。
すなわち「代謝が良い」状態が健康に良いとは限らないわけで、ある方にとっては太ることが「代謝が良い」状態であり、ダイエット目的の方にはやせることが「代謝が良い」となるわけです。
このように簡単に「代謝が良い」と痩せ、「代謝が悪い」と太るといった考えは正確には間違いであり、代謝という言葉には「良い」「悪い」といった形容詞ではなく「多い」「少ない」といった言い方や「上がる「下がる」といった言葉のほうが合うような気がします。
———-今回のまとめ———————–
代謝の意味をわかった上で使いましょう。
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