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代謝が下がるとは?

2018.11.17

ダイエット目的の加圧トレーニングを行って順調に体重が落ちた場合でも、そのうち体重の減少が鈍化していくことが多くあります。

 

この場合において考えられることに「代謝が落ちてきた」から体重の落ちが悪くなったということです。

 

代謝という言葉はよく聞く言葉ですが、詳しく説明しようと思うとなかなか難しいです。

 

そこで今回は「代謝が落ちる」ということを生理学的に考えてみます。

 

 

生化学の教科書でもある「ハーパー・生化学」では代謝のことを・・・

「消化され、吸収された食餌成分のその後の処理過程が代謝を構成している。個々の分子がたどる代謝経路のみならず、経路間の相互関係やそこの代謝産物の流れを制御する仕組みも代謝という概念に含まれる。」

また代謝経路は3グループに分類され

 

同化経路anabolic pathway 化合物の合成に係わる経路

 

異化経路catabolic pathway 化合物の分解に係わる経路 

 

③両性経路amphibolic pathway 代謝の交差経路であり同化経路と異化経路を連結している

 

ハーパー生化学 第26版p127より

 

 

と難しくなりましたが、ダイエットによる「代謝が落ちる」というのは消費カロリーが減少することでもあり、異化経路が低下することになります。

 

異化とは一般に燃料となりうる物質の分解または酸化することであり、簡単に言うと体脂肪を分解してエネルギーにしたり、筋肉や筋組織に蓄えられているグリコーゲンを分解してエネルギーに変えることを言います。

 

代謝が下がるということはこれら体脂肪の分解や筋肉の分解、グリコーゲンの分解によりATPというエネルギー元を作りだすことが低下するわけですが、実際は日常的に体を動かしたり、内臓が動いたりとダイエット中でもATPを使う量はあまり変化しません。

 

 

では代謝が下がるということはどのような状態を指すのでしょうか。

 

人間の体の中でATPが合成されるのは解糖系、TCA回路、酸化的リン酸化という過程を経てATPを合成しているのですが、通常では酸化的リン酸化の過程において酸化はするけどリン酸化ができないという脱共役という熱を発生し体温になる仕組みがあります。

 

この脱共役が低下することがダイエット中における代謝の低下を指すことになります。

 

したがって代謝が上がってる下がってるとかは体温を継続的に測ることによって判断できることになります。

 

少ない食事量などで効率よく体を動かせるタイプの方はATPの合成が効率よく出来、かつ体温が低めの方かもしれません。

 

 

 

では、このような代謝が下がることによってダイエットの成果が悪くなる場合、どういう対策がいいのでしょうか。

 

脱共役を上げるためには褐色脂肪細胞が大きく関係します。

 

褐色脂肪細胞とは新生児などに多く見られる細胞で鉄を多く含んでいるために茶色を呈しミトコンドリアも多く含み身体を震わせて体の熱を震わせる「ふるえ熱産生」ではなく「非ふるえ熱産生」とい脱共役による熱を産生しています。

 

この褐色脂肪細胞は加齢とともに減少することから若い時に比べてダイエットがしにくいひとつの原因となっております。

 

ただし、最近の研究ではこの褐色脂肪細胞ではないもうひとつの褐色脂肪「様」細胞も知られるようになってきました。

 

この褐色脂肪「様」細胞はベージュ細胞あるいはブライト細胞と呼ばれ褐色脂肪細胞同様に熱産生を行います。

 

Wikipediaより

(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%90%E8%89%B2%E8%84%82%E8%82%AA%E7%B5%84%E7%B9%94)

その活性化または増加させるのには寒冷刺激やノルアドレナリン刺激が有効でUCP-1(脱共役たんぱく質)を高発現させ熱産生を行います。

 

したがってダイエット中に代謝が落ちている場合はこのベージュ細胞に刺激を与えるのも効果があるかもしれません。

 

また、もうひとつ考える必要があるのが代謝に大きく関与する甲状腺ホルモンです。

 

 

甲状腺ホルモンが過剰に増加する病気では体重の減少がみられることはよく知られております。

 

反対に甲状腺ホルモンが低下すると体重が増加します。

(以前に死亡事例まであった中国のやせ薬などは甲状腺ホルモンが高濃度で含まれていました)

甲状腺ホルモンにはT4と呼ばれるサイロキシンとT3であるトリヨウ素サイロニンの2種類がります。

 

T4からT3への変換が良い状態だと甲状腺ホルモンの働きが良くなるのですが代謝が悪い状態だとその変換が悪くなります。

 

すると脱共役が低下し体温が下がったり消費カロリーが少なくなります。

 

これに対応するのがチートデイと呼ばれるカロリーアップの状態を作りだすことです。

 

 

 

長期間のダイエット中にチートデイを設けたり、順調に体重が落ちてきたのちに起こる停滞期という体重の低下がなくなったときに食事量を大幅に増やす(特に糖質)ことによって甲状腺ホルモンのT4からT3への変換を高めさせます。

 

すると代謝が上がった状態になり、また体重が減少するようになります。

 

なお、チートデイは1回の食事だけでなく朝昼晩と続けてのカーボアップが効果的になります。

 

このように代謝が下がるというのは消費カロリーが下がることであり、エネルギーの合成が低下することでもあり、また脱共役が低下することにもなります。

 

そしてその対応策としては褐色脂肪細胞やベージュ細胞への働きかけや甲状腺ホルモンの機能の向上のための一時的なカロリーアップが有効です。

 

 

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