加圧トレーニングのリスク
2018.08.17
加圧トレーニングやTRXトレーニングを行っているときに注意しなければならないのが、一過性の貧血です。
これはトレーニング中、トレーニング後に発生し、詳しくは「血管迷走神経反射」とよばれるもので、めまい、ふらつきや気分の悪さ(嘔吐)、失神するというものです。
当施設でも失神まで至った例が1例あり、(10年ほど前)私の問診不足で投薬中の方にみられました。
幸い数秒単位で意識は回復していただき大事には至らなかったのですが、もしどこかぶつけたり、転んだ際に怪我をされたりすると考えると充分な注意を怠ってはいけないと肝に銘じた次第です。
発生機序としてですが、トレーニングによる血管迷走神経反射は強いストレスや痛み、恐怖心などにより迷走神経が興奮、刺激され末梢の血管が拡張され血圧が低下し脳への十分な血流が確保できないことによる脳貧血状態がその原因として考えられ、加圧トレーニングなど血流を制限したトレーニングではリスク管理が必要になります。
顔色が悪くなったり、言葉がけの反応が鈍ってきたりとか、あくびをしたりなどがあると血管迷走反射の前触れのサインになりますので、運動を中止したり横になっていただき休憩をとっていただきます。
少しでもこういった症状を予防するために、水分摂取を心掛けいただくために当施設ではミネラルウォーターを完備していまして、休憩毎、トレーニング前などに水分摂取をやや強制気味に行っていただいております。
一般的にはより強いストレスがかかるトレーニングのほうが血管迷走反射を起こしやすいので、トレーニング強度の強い場合には細心の注意をはらっていますが、加圧トレーニングに慣れていない時期や、体調不良、また新しい運動種目への挑戦などによってもこの症状を引き起こす可能性は少なからずあります。
当施設もトレーニング中は細心の注意をはらっていますが、加圧トレーニング中に少しでも体調の変化があった場合は申告していただきたくことが「血管迷走反射」の予防につながると考えます。
なお、当施設では万が一のためセコムのAED(自動体外式除細動器)を設置しています。