食の安全の基礎知識
2016.06.21
加圧トレーニングのお客様で「健康に気をつけて朝は野菜沢山のスムージーや生野菜を毎食大量に食べているけど、有機野菜ってやっぱりお勧めですか」といった質問をいただきました。
TVや雑誌ではモデルさんやタレントさんがこだわりのある有機野菜を使ってスムージーを作って美肌作りに励んでいるといったことも目にします。
また、最近の食べ物について、有機野菜、無農薬または添加物なしといったものや、人工的なものより、天然のものといったものが重宝されているような気がします。
そして、それらの食品は栄養価が高く、安心、安全で素晴らしいといった考え方が主流になっている気もします。
ネットでは日本人は栄養学が先進国では最低レベルといったことや添加物まみれになっているといったこと、また農薬まみれの食品ばかり食べているといった内容の情報も溢れています。
反面、日本人は毎年長寿記録を更新しているといった矛盾もあります。
そこで毎日食べている農作物は大丈夫なのかを調べてみました。
まず、初回は有機農作物のお話です。
有機農作物というのは
○二年以上(多年生作物では3年以上)禁止された農薬や化学肥料をしていない畑や田んぼで栽培する。
○栽培中も禁止された農薬および化学肥料は使わない。
○組換えDNA技術が用いられていないもの。
など細かな取り決めがあります。
(詳細な内容は http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/kikaku_26_yuki_nousan_160224.pdf)
そして現在の日本の有機農業の割合は全農家数の0.5%が従事し農業全体の栽培面積では0.4%しかない状況です。
ちなみに諸外国ではEU加盟国では面積シェアは高く、イタリアでは8.6%、ドイツ6.1% イギリス4.0%でアメリカが0.8%になります。
また、アジアでは韓国1.0%、中国0.4%になっています。(全て2011年度)
当然、全ての人が有機野菜だけで食を賄うことは無理になります。
また、通常の農業に比べて手間ひまかかるため値段も高価になりがちです。
次に有機野菜と一般の野菜ではどう違うのか、また栄養価の違いは?安全性の問題はどうなの?といったことが気になります。
例えば平成21年22年の今治市有機農業推進協議会の発表では「にんじん」においては有機栽培のほうが優位に栄養価が高かったが、「レタスに関しては工業製品のほうが栄養価が高かったという報告がありました。
また、客観性の高い資料としてイギリスの2009年の報告書では有機と慣行農法の違いによる栄養価の違いは正式には認められなかったということです。
いまのところ有機野菜のほうが栄養価が高いと断定するのは資料不足の感があります。
次に気になるところは、安全性に関しての農薬の問題です。
有機農業といっても化学合成農薬の一部や生物農薬など28種類の使用は認められています。
そして、その認められた農薬は自然界への化学物質への放出は極力避けているものであります。
では一般の慣行農法における野菜の残留農薬は健康を害するものなのか、これも調べてみました。
(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000115140.pdf)
この調査では様々な食品群において極々少量の農薬等が検出されたが、推定された平均一日摂取量の範囲であり、国民が一生涯に渡って毎日摂取したとしても健康に影響を生じるおそれはないものと考えられる量であり、この結果を見ると健康被害は全く考えなくても良いみたいです。
たまにこういう結果を見ても、たとえ少量であっても体に備蓄されていき、将来に健康被害が出るかもしれないと発言される方も少なからずいらっしゃいます。
生理学的、医学的にみても間違いはないのだけどやはり、「気になる」という方も当然いらっしゃいます。
農薬というのが身近に感じれないのでそう考えるのは無理もないことですが、では、ちょっと量が少なければ問題ないという別のわかりやすい例をあげてみます。
「無機ヒ素」という物質です。
無機ヒ素が一度に、または短い期間に大量に体の中に入った場合は、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状があらわれると報告されています。
また、無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されています。
また、昭和30年森永ヒ素ミルク事件で無機ヒ素化合物がミルク中に誤って混入、中毒事件を起こし乳幼児に多数の死者、中毒患者を出したことでも有名になった物質(元素)になります。
このように書くと、無機ヒ素は怖い物質でごく少量でも摂取するのが怖いと感じるのは当然です。
しかし、もともとは地球上に広く存在する元素です。
そのため、自然環境中にあるヒ素を完全に避けることは難しく、飲料水や農畜水産物に移行するため、様々な食品には微量のヒ素が含まれています。
代表的なのが「ひじき」です。英国なのでは摂取制限されている食品にもなりますが、日本では伝統的に食べられており食物繊維も多くミネラルも多く含んでいるためバランスの良い食事をすれば問題ないというのが農林水産省の見解です。
また、農産物に関してはコメから摂取するヒ素も摂取量が比較的多い傾向にあり、とくに玄米の外側についている糠(ぬか)の部分に多く含まれています。
このため、玄米を加工して白米にするとヒ素が軽減されるのですが、糠の部分に栄養価が高い部分の含まれるのも皆様ご存知のとおりです。
このように、ヒ素に関して極々少量で残存したとしても健康に害がない量であり、伝統的にコメやひじきも日本人は食べていますがヒ素で健康被害にあったということもないし、、なおかつ他の栄養や利点が多いのであればこれら食品を摂取する利点が多く、全く気にする必要はないと考えます。
したがって、玄米を食べてヒ素中毒になったという話も聞いたことがありません。
このように、どんなに健康被害がある物質においてもその量が極わずかであれば、決して問題は起こらないということです。
(http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/index.html)
なんとなく身近にあるものは大丈夫のようで、聞きなれない農薬の名前などは恐ろしく感じるのは仕方がないことだとは思いますが、「量」の概念を忘れずに少なければ問題ないということを忘れないでください。
このあたりのことはマスコミの根拠のない噂話程度の番組や裏付けのない健康情報等により間違った方向に振り回されている方が多いような気がします。
(今回は様々な公式な情報を元に裏付けのある情報として書いてみました。)
———-今回のまとめ———————–
○農作物に関しては、環境面に関して有機野菜もいいけど、慣行農法で作られた一般野菜も安全面、栄養面でも決して悪くないよ、というのが現在の私の考えです。
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