ブログBLOG

加圧トレーニングにおける危険性

2015.02.03

 
当施設は加圧トレーニング導入後9年目を迎えました。
その中でまず第一に考えることは「安全にトレーニングできているか」ということです。お客様の目的に応じたトレーニングプログラムを組むわけですが、運動中は怪我や事故の危険性が必ず潜んでいます。
それらのことを考慮して加圧トレーニングについては当日の体調などを考慮して加圧ベルトを巻く適正圧やその他トレーニング強度を決定していくのですが、間違った方法で事故が起こった例が論文にて発表されていますのでご紹介します。

「加圧トレーニング後に挫滅症候群(Crush Syndrome)を合併した一例」
(塚本 祐也, 神保 幸太郎, 白濱 善彦, 田中 康嗣, 下河辺 久雄, 重留 広輔, 加藤田 倫宏, 吉田 史郎, 坂井 健介, 田中 憲治, 吉田 健治, 後藤 琢也 2014)

「近年、加圧トレーニングはトップアスリートだけでなく一般人にも広く普及している。加圧トレーニングによってCrush Syndromeおよび長期運動障害を合併した1例を経験したので報告する。
症例は15歳男性、野球部の練習中に加圧トレーニングを約15分実施.直後より両上肢の鬱血と強い疼痛および運動障害をき たしたため当院救急外来受診。
血液検査にて白血球14830/μl,CPK2095IU/l,ミオグロビン631ng/mlと上昇、入院にて輸液管理を行った。
入院1日目にミオグロビンは2013ng/mlに上昇、入院2日目にCPKは32309IU/l と急激な上昇を認めCrush Syndromeと診断した。輸液負荷を継続することで入院4日目からCPKは改善傾向になり、8日目にはCPKおよびミオグロ ビンは正常範囲まで改善した。
両肘関節運動障害は徐々に改善して,受傷4か月で完全伸展可能となった。」

ということなのですが、今回の事故例では初回トレーニングで未成年で慎重に行うべき加圧トレーニングを約30名の学生を一人のトレーナーが適正圧を測らずに行ったため(虚血状態)、クラッシュシンドロームという重篤(死亡例も多くある)な症状も考えられる状態になったとのことです。
おそらく、止血状態かまたそれに近い圧力でベルトを巻き、その上で加圧トレーニング本部の指定する上限を超えたトレーニング時間で起こった事故だと推測できます。
また、トレーニング強度がきつければきついほど効果があると勘違いしたり、体の不調を聞いてもらえる指導者が近くにいなかっのではないかと考えられます。

加圧トレーニングにおける危険性2

最近では個人で加圧トレーニングを行ったり、類似したトレーニング法を行っている人もあると聞きます。
加圧トレーニングは正しい知識の上で行うと安全で効果の高いトレーニング方法ですが、貧血症状を起こしたりすることもある ので必ず加圧指導者の下で安全にトレーニングを行ってください。
類似行為も含めくれぐれも事故のないようにしてほしいものです。

PAGE TOP