ダイエットのためのスーパーフード②
2018.12.04
前回のブログでスーパーフードとしてのレバーのビタミン含有量を調べてみました。
あまりにもビタミンAの成分などは多すぎて毎日摂取するのは栄養過多による心配もあるほどでした。
今回は体にとってビタミンと同様に微量ながらも体の健康維持に必要なミネラルの量を調べてみましょう。
30歳女性を基準に調べてみました。
カルシウム
骨や歯などを作るために必要なミネラルで体内に最も多くあり、体重の1~2%を占めます。
99%は骨や歯に存在し残り1%は筋肉や血液等すべての細胞に含まれて筋肉の収縮や神経の興奮の抑制や血液凝固など様々な働きに関係します。
鶏レバー50g中に含まれるカルシウムは2.5mgで摂取基準は650mgです。上限は2300mg。
当然レバーでは含有量は極めて少ないため、牛乳などヨーグルトや小魚などから上手にとりたいですけど、豆類や穀物に代表されるフィチン酸や過剰なリン、またサプリメントなどの摂取による過剰な食物繊維の摂取もカルシウムの吸収を阻害する要因になるので注意が必要です。
鉄
酸素を体内に供給するための赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの構成成分の役割があったりカタラーゼのような生体内抗酸化酵素の構成成分にもなります。
鶏レバー50g中に含まれるカルシウムは4.5mgで摂取基準は6.5~11mg(月経の有無によって数値が変化します)です。上限は55~40mg。
マラソンをするかたなどはスポーツ性貧血(溶結性貧血)といって赤血球が足裏のランニングによる衝撃で壊れやすくなって起こる貧血もあるので材料となる鉄はしっかりと摂取したいミネラルです。
リン
カルシウムとともに骨、歯を作ったりエネルギーの構成成分、細胞膜の材料にもなる体内でカルシウムに次いで多く存在するミネラルです。
鶏レバー50g中に含まれるカルシウムは150mgで摂取基準は900mgです。上限は3000mg。
リンは多くの食品に含まれているため普通の食事では欠乏しないです。ただ加工食品には保存性を高めるためにリン酸塩として添加されているため取りすぎる傾向にもなります。
その場合、リンとカルシウムの摂取バランスは1:1が理想なので積極的にカルシウムを取る必要があります。
マグネシウム
カルシウムやリンとともに骨を構成する成分ですべての細胞に含まれ体内のあらゆる代謝をサポートしています。
鶏レバー50g中に含まれるマグネシウムは9.5mgで摂取基準は290mgです。
レバーに含まれるマグネシウムも少ないですが一般的に日本人には不足しがちなミネラルです。豆類や種実、海藻類に多いので意識的に摂取する必要があります。
300を超える酵素の材料にもなりエネルギーの産生を円滑にしたり神経の興奮を抑えたり血管を広げて血圧を下げる働きもあります。
ナトリウム
細胞内外のミネラルバランスを保つために必要で血圧などに関係するミネラルです。
鶏レバー50g中に含まれるナトリウムは42.5mgで摂取基準はなく推定必要量として600mgになります。
通常は食塩としてナトリウムイオンと塩素イオンが結合した塩化ナトリウムとして摂取されることがほとんどなので食塩換算で1.5gの必要量で普通の食事でそれ以下になることも考えられないので7.0g未満の摂取を目標値としています。
取りすぎることによるむくみは有名ですし、高血圧、胃がんにも関係します。
ただ、夏場で大量の汗をかいた場合など体内のナトリウム量の低下による自発性の脱水症状も考えられるので、大量の汗をかく場合はナトリウムの積極的な補給も忘れないようにしてください。
カリウム
細胞の浸透圧の調整などナトリウムとともに働き、細胞内の酵素反応をサポートしたり高血圧の進行を抑えたりする作用があります。
鶏レバー50g中に含まれるカリウムは165mgで摂取基準は2000mgです。
カリウムは野菜やいもなどの植物性食品や動物性食品など豊富に含まれているので普通の食事では欠乏することはありません。
銅
赤血球の材料にもなり、鉄の吸収を促進したり多くの酵素の材料になり代謝に関与しています。
鶏レバー50g中に含まれる銅は0.16mgで摂取基準は0.7mgです。上限は10mg。
欠乏すると貧血になったり子供の場合は成長障害をおこしたり、毛髪の異常などにも関係します。
レバーを代表に魚介類、豆類などに多く含まれています。
ヨウ素
ダイエットにも大いに関係する甲状腺ホルモンの成分として重要なミネラルで、多すぎても少なすぎても甲状腺が肥大し甲状腺腫になったりします。
鶏レバー50g中に含まれるヨウ素は0.5μgで摂取基準は130μgです。上限は2200μg。
レバーには少ないですが魚介類・海藻類に多く含まれるため海産物をよく食べる日本人には不足することがまれだといわれています。
ただ、あまりにも大量の昆布の取りすぎで甲状腺腫を発症した例もあるので注意してください。
マンガン
骨の発育に重要なミネラルで体内の代謝かかわる酵素の成分として必要なミネラルです。
鶏レバー50g中に含まれるマンガンは0.165mgで摂取基準は3.5mgです。上限は11mg。
レバーには含有量は少ないですが植物性食品に広く含まれているため欠乏症はあまりありません。また過剰症もあまり例がないです。
抗酸化作用のある酵素の材料にもなります。
セレン
抗酸化作用の働きをする酵素の成分で細胞のサビを防ぐ働きがあります。
鶏レバー50g中に含まれるセレンは30μgで摂取基準は25μgです。上限は230μg。
魚介類やセレン濃度の高い土壌で育った植物に多く普通の食事では過剰症、欠乏症は起こりません。
亜鉛
多くの酵素の成分として利用されDNAの合成や糖質の代謝、インスリンの合成、免疫反応、生殖機能など様々な働きに関与します。
鶏レバー50g中に含まれる亜鉛1.65mgで摂取基準は9mgです。上限は35mg。
亜鉛(+マグネシウム)の不足は髪の成長にも関係するので気になる方はサプリメントなどで摂取するのもいいかもしれません。
また、この季節風邪にかかる方も多いですけど欧米では風邪の治療に亜鉛が良く使われ、1日に80~207mg摂取したところ完治までの期間が半分になるらしいです。(75mgでは効果がないようです。)
クロム
糖質、脂質の代謝に関係する重要なミネラルでインスリンを活性化させ血糖値を正常に保たせる働きがあります。
鶏レバー50g中に含まれるクロムは1μgで摂取基準は30μgです。
魚介類、肉類、海藻などに多く含まれ通常の食事で不足することはあまりないです。
モリブデン
体内活動で発生した物質を尿酸という形で排出するためにひつような酵素の働きを助けるミネラルです。
鶏レバー50g中に含まれるモリブデン41μgで摂取基準は25μgです。上限は500μg。
レバー、豆類、種実に多く含まれ、また、食事が原因となる過剰症や欠乏症はないといわれています。
まとめてみると
「日本人の食事摂取基準」13種類中の鶏レバー50g中のミネラル含有量の割合は
カルシウム 0.4%
鉄 69.2~40.9%
リン 16.6%
マグネシウム 3.3%
ナトリウム 7.1%
カリウム 8.3%
銅 22.9%
ヨウ素 0.4%
マンガン 4.7%
セレン 120%
亜鉛 18.3%
クロム 3.3%
モリブデン 164%
やはりビタミン同様にミネラル分もひとつの食材としてはかなり多いスーパーフードといえます。
ただレバー全般に言えることですが、以前は生食でおいしく食べることができた食材でしたが、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌といったものによる食中毒で乳児などでは重症化の例も多くあるので、必ず中心まで火を通してから食べる必要があります。
正しい調理方法で週に1~2回食べると健康や美容にも役立つ食材ですので、好きな方はもちろん、嫌いな方にも是非調理方法を工夫して挑戦して食べてみてはいかがでしょうか。
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