加圧トレーニングと栄養摂取⑧
2017.11.29
今回はダイエットのために加圧トレーニングを行っている方の栄養摂取についての「脂質」編です。
カロリー制限を選ばれてダイエットしている方では「脂質」の摂取は少なくなります。
ご存知のとおり、炭水化物、たんぱく質はグラムあたり4kcalで脂質は9kcalになるため、脂質を控えていくのが当然になります。
そして、糖質制限の場合は糖質のみを制限するため脂質の摂取を制限する必要はありません。
今まではさまざまな食材で「カロリーオフ」や「カロリーカット」、「低脂肪」などなるだけ油の摂取を少なくすることが健康のために良いとされてきました。
また、皮下脂肪や内臓脂肪などといったものや高脂血症や悪玉コレステロールの原因となるため必要がないといった意見もよく聞きます。
そこで、本当に油はいらない「栄養素」なのでしょうか。ちょっと検証してみます。
まずは教科書的に脂質の主な働きを考えてみましょう。
①エネルギーの貯蔵およびエネルギー源としての働き
②クッションとしての臓器保護の働き
③細胞膜や細胞内の微細な膜構造の構成物質
④脳神経組織の構成物質
⑤ホルモンや脂溶性ビタミン、コレステロール等の構成成分
⑥プロスタグランジンなどの生理活性物質の前駆物質など
⑦その他
以上のような働きが有名で、その他さまざまな働きが身体の中で行われています。
また、ひとくちに脂肪といっても数多くの種類の脂肪があります。
単純脂質、複合脂質、誘導脂質といった分類方法や、脂質の構成物質である脂肪酸もまた、さまざまな種類があります。
構造的な特徴から飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸といった分類方法や炭素数による分類方法があります。
以前は飽和脂肪酸は牛や豚の脂身に多いことからコレステロールの上昇や肥満につながるので悪い脂といった感じが強く、植物に多い不飽和脂肪酸はヘルシーで健康にも良いという印象が強くありました。
また、炭素数による分類では短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸といった吸収や消化のスピードに差があったり働く場所の違いや、栄養素としての違いがあったりします。
そして、研究が進むことにより動物性が悪で植物性が善ということでなく、目的に応じてそれぞれの脂が健康に役立つことがわかってきました。(詳細な脂質摂取の目的はまたの機会に)
最も身体によくないものは、酸化して劣化した油や人工的に作られた油などで健康を害する場合があり注意する必要があります。
そして、ダイエット目的で糖質制限を選んだ場合は脂質の摂取はしっかり行っていただきたいです。
量としてPFC比でたんぱく質30:脂質60:炭水化物10を摂取カロリーの割合でお願いしています。
当院で加圧トレーニングを受けている方は体組成計で測定していただいているので体重以外の基礎代謝が数字として表示されますが、この基礎代謝を元に活動代謝をかけて1日の必要エネルギーを算出します。
例えば1200kcalの基礎代謝の「あまり動かない座位中心の仕事で、運動をしない場合」であれば活動代謝の係数の1.5をかけて1800kcalがこのかたの1日に必要なエネルギー量になります。
(活動代謝の係数は運動や仕事量の違いで1.4~2.0くらい変動します。)
この1800kcalをいかに下げていくのかがカロリー制限で、当然脂質のカロリーはグラムあたり9kcalで炭水化物、たんぱく質よりも多いので脂質を制限する形になります。
そしてこの1800kcalの内容を変えていくのが糖質制限になります。
基本的には糖質制限の場合、糖質さえ制限すればたんぱく質、脂質は制限なく食べていいといわれますが、参考値として上記に書いたようなPFC比30:60:10にしていただいております。
(栄養素として葉野菜など摂取する必要もあるので、糖質ゼロを目指すのではなくある程度は摂取していただきます。)
量で表すとはたんぱく質1800kcalの30%は540kcalなのでグラム換算すると135g、脂質は120g、炭水化物は45gになります。
ちなみに適正比率はP13%、F25%、C62%といわれております。
たんぱく質の135gというのはかなり意識的にたんぱく質摂取を考えないと無理な数字かもしれません。
また、脂質の120gというのも一般のダイエット食では考えられないほど量が多いです。
したがって空腹を感じることなくダイエットできるのが糖質を制限してたんぱく質、脂質を充分に摂取する糖質制限食といえます。
こういったことから、ダイエット目的で加圧トレーニングをされている方の栄養摂取として、やはり脂質は身体にとって不可欠な栄養素ということもあり、しっかり摂取していただくのをお勧めしています。
そして、ダイエット目的にカロリー制限をする場合であっても、長期的な脂質の摂取制限は体にとって決して良いことではありません。
新しい研究や常識の変化により脂質への考え方も変わってきています。
目的に応じた脂質の摂取がダイエットだけではなく健康にも役立ちますので、脂質は決して悪ではなく必要不可欠な栄養素だということを忘れないでいただければと思います。
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