女性にとってタンパク質は植物性がイイ?
2016.05.09
このGW中に発売された「anan」の「本気の美脚・美尻」特集で某女優さんが「女性らしい体を目指すなら、タンパク質は動物性よりも植物性の大豆製品などで摂ったほうがいい。」と書いてありました。
勿論ご本人の感覚であればそうなのでしょうが、生理学的にはどうなのでしょうか。
人間にとって必要な栄養素としてタンパク質があります。
この女優さんが書かれているように、大きく分けて動物性タンパク質と植物性タンパク質に分けられます。
またタンパク質を細かくしていくとアミノ酸という物質になります。
すなわち タンパク質 = アミノ酸なわけです。
そこで、アミノ酸をもう少し詳しくみてみると1個の炭素原子(C)に側鎖と呼ばれるものとアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が結合したものとなります。
また、アミノ酸がタンパク質の構成単位であり20種類あり、そのうちの9種類は体内で合成できないかあるいは合成できても数が少ないため食事等から摂取する必要があります。
その9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、その他11種類を非必須アミノ酸と呼びます。
個々のアミノ酸の記述はあまりにも多量になるため置いておきますが、女性にとって植物性のタンパク質が優れているといったことはどういうところから感じられるのでしょうか。
おそらく大豆に含まれている「大豆イソフラボン」というのが女性ホルモンと構造が似ているため、美容効果やホルモンバランスの調整に働くといったことが期待できるからだと考えます。
また、抗酸化物質として活性酸素から身を守るために役立つといったことや骨粗しょう症の予防や更年期障害の軽減等に有用と言われております。
ではその他の必須アミノ酸のバランスも植物性のタンパク質が優れているのでしょうか。
実はこの必須アミノ酸のバランスを表すものとして「アミノ酸スコア」というのがあります。
人間の体が要求する必須アミノ酸をバランスよく配合されているかどうかで点数が変わってきます。
(このあたりのタンパク質の評価の仕方は年代によったり、プロテインスコアといったものがあるためバラつきがあります。)
アミノ酸スコアについての評価の議論はおいておいて、一般的な考えのもとに考えていく場合、植物性タンパク質はアミノ酸スコアが低く、大豆で86、白米で65と言われております。
比較タンパク質より少ないタンパク質をその食品についての制限タンパク質というのですが、大豆では含硫アミノ酸(メチオニンとシステイン)が制限タンパクとなり白米ではリジンが制限タンパクになります。
明治以前日本人はそんなに多くの動物性タンパクを摂取できない時代がありましたが、その当時は体が虚弱だったのかといえばそうではありません。
大豆では制限タンパクになる含硫アミノ酸が白米には多量に含まれています。また白米の制限タンパクであるリジンが大豆には多く含まれています。
これら食品を組み合わせることにより、充分なタンパク質の質を確保できたと考えられています。
ということは糖質制限をしているかたで、白米を食べない方が大豆を中心としたタンパク質摂取ではタンパク質の質が確保できなくなるということです。
また、同様にパンと大豆という組みあわせではパンの主成分である小麦には含硫アミノ酸が少ないので栄養素を補う関係にななりません。
このように考えてみると、某女優さんが書かれている、植物性タンパク質が女性にとって良いという意見も、大豆イソフラボンやその他すごく良い側面もありますが、食べ合わせを考慮した上で摂取するタンパク質を考える必要がありそうです。
ダイエットしてない場合なら「大豆+白米」でも大丈夫ですが、糖質制限をしている場合などはやはり、動物性タンパクも追加摂取する必要もあるでしょうし、パン好きのかたも食事内容には注意が必要なのかもしれません。
———-今回のまとめ———————–
○植物性のタンパク質も良い働きがありますが、組み合わせに工夫が必要で、動物性のタンパク質も出来れば摂ったほうがいいと思います。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
加圧トレーニング・TRXトレーニング
ダイエット、美姿勢・美脚
パーソナルトレーニング
〒545-0011
大阪市阿倍野区昭和町4-1-12-101
田中整骨院 併設 TRX&KAATSU STUDIO
06-6628-7629
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□